みんなで気をつけよう! 保育園でのインフルエンザ対策
- 2017-1-31
- 保育士のお悩み解決
いよいよ冬本番、寒さも本格的になってきましたね。
この季節になると猛威をふるうのがインフルエンザなどの感染症。
とくに抵抗力の弱い子どもが集団生活を送る保育園や幼稚園では、油断するとまたたく間に拡がってしまうのはご存知の通りです。
そこで今回は、インフルエンザの特徴をあらためて知り、このインフルエンザシーズンを子どもたちと一緒に、無事に乗り切るためのポイントを確認していきましょう 。
さらに、子どもたちに風邪予防の心がけをわかりやすく教えるのに役立つ、歌や紙芝居、絵本などもご紹介。
さっそく活用して、感染症を寄せつけない元気いっぱいの冬を過ごしてくださいね!
インフルエンザとは・・・特徴と症状
厚生労働省の発表によると、インフルエンザの報告数が昨年と比べ約4.7倍となっているとのことです。
流行しているのはA香港型。全国的に流行期に入る可能性があると発表されています。
この危険な流れに巻き込まれないためにまず大切なのは、敵を知っておくこと。
さっそく、インフルエンザとはどういうものか、おさらいしていきましょう。
●インフルエンザの種類●
A型・・・感染力が強く、39度~40度の高熱と筋肉痛などの全身症状が特徴です。
B型・・・高熱になることは少なく、下痢や腹痛などの消化器症状が特徴。
C型・・・季節性のA・B型と違い、通年性です。症状も比較的弱く、風邪と間違えるほど。大人
はあまり感染しませんが、5歳以下の子どもに多くみられます。
●感染経路●
飛沫感染・・・感染者のくしゃみや咳で飛散したウイルスを吸い込んで感染します。
接触感染・・・感染者が触れた電話やドアノブなどにさわった手で、自分の目や鼻、口をさわると、粘膜からウイルスが入り込みます。
空気感染・・・飛沫から水分が抜けて軽くなり、空中を長時間、浮遊することがあります。それらを吸い込んで感染します。
●症状●
1~3日の潜伏期間をおいて、急激に発症します。
<全身症状>突然の38度以上の高熱、強い悪寒、倦怠感、頭痛、節々の痛み、食欲不振
<呼吸器症状>やや遅れて、のどの痛みや咳、鼻水
<消化器症状>腹痛や下痢、吐き気を訴えることもあります
これで安心! 保育士が心がけたいインフルエンザ対策
インフルエンザは風邪とちがい、命に係わる合併症を引き起こすこともある、恐ろしい病気。
ですが日ごろから予防を心がけることで、かなり感染を食い止めることができます。
ここからは、子どもたちと一緒にできるインフルエンザ予防について見ていきましょう。
●手洗い・うがいはしっかりと
手洗いとうがいは、感染症予防の基本。といっても、なんとなく泡をつけて流すだけではNG。
このあと紹介する歌や絵本、紙芝居なども活用して、手洗い・うがいの大切さや正しいやりかたを楽しく身につけてあげましょう。
2歳以下の子どもには、仕上げ洗いをしてあげるとベターです。
●手洗い後には手指の消毒を
子どもは口や目や鼻を手で触ることが多いもの。インフルエンザウイルスはそれらの粘膜から侵入します。手洗いのあとで、手指のアルコール消毒をすると万全です。
●服装の調節はこまめに
寒いからといって必要以上に着せすぎると、寒さに対する抵抗力が育ちません。とはいえ薄着すぎるのも、体調を崩す原因に。子どもは暑くても寒くても気にせず遊んでしまうもの。室温や気温に合わせて、こまめに調節してあげるようにしましょう。
●外出時にはマスクも有効
マスクでウイルスの侵入を完全に防ぐことはできません。けれど、冷気からのどを守り、保湿効果もあるので、寒い日の外出にはおすすめです。使い捨てのマスクにシールを貼るなどしてMYマスクを作れば、子どもたちも喜びますね。
●保育室の換気を忘れずに
冬は、保育室も暖房を入れたまま閉め切った時間が長くなりがち。その結果、空気はよどみ、さまざまなウイルスや細菌の温床に。とくに冬場は意識して、1~2時間に一度は窓を開け、新鮮な空気を入れましょう。室内が寒いあいだは、子どもたちとおしくらまんじゅうをするなど、換気タイムも楽しんで。
風邪予防に役立つ歌・絵本・紙芝居
それでは最後に、子どもたちが楽しみながら予防の大切さや方法を学べる、おすすめの替え歌や絵本、紙芝居をご紹介します。
毎日の保育に取り入れて、子どもたちと一緒にウイルスを撃退しちゃいましょう!
<替え歌>
~きらきら星のメロディーで~
♪手のひら洗おう
手の甲洗おう
指のあいだと
親指洗おう
手首も洗い
よく流しましょう
~ひげじいさんのメロディーで~
♪あわあわあわあわ あわだてて(手のひらを洗う)
しゅっしゅっしゅっしゅっ なであらい(手の甲を洗う)
きゅっきゅっきゅっきゅっ ゆびのまた(指を組んで指の間を洗う)
ごしごしごしごし つめたてて(手のひらで爪をたてて洗う)
ぐるぐるぐるぐる おやゆびさん(親指を握って洗う)
てくびをあらって、はい、おしまい(手首を洗う)
<絵本>
おかだ はるえ(著)、西川智英美(イラスト)
風邪って何? どうすれば風邪に負けないの? そんな子どもの疑問に、かわいいイラストと楽しいストーリーでわかりやすく答えてくれます。風邪予防のいろはが身につく、この時期の読み聞かせにぴったりの絵本。
https://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=71090010
わらべ きみか
トイレのあと、お砂場遊びのあと、おやつの前、お絵かきのあと・・。動物たちがいろんなシーンで手を洗います。1歳から楽しめて、手洗いの大切さが自然に身につく絵本。
ねじめ正一(著)、長谷川義史(イラスト)
お客さんの前では百獣の王・ライオンらしく、だけど誰もいないところではひっくり返ってうがいをする動物園のライオン。そんな表情のギャップが楽しく、うがいに親しみを持てる一冊。
大型の本いっぱいに描かれたユーモラスなライオンと、ねじめ正一の独特の言葉遣いが、子どもの気持ちをぐいぐい引き込んでいきます。
http://www.suzuki-syuppan.co.jp/script/detail.php?id=1040022892
La ZOO(著)、すがわらけいこ(イラスト)
風邪って何? どうすれば風邪に負けないの? そんな子どもの疑問に、かわいいイラストと楽しいストーリーでわかりやすく答えてくれます。風邪予防のいろはが身につく、この時期の読み聞かせにぴったりの絵本。
<絵本>
元気いっぱいのシーサーの子、ゲンちゃんと一緒に、人々に悪さをする菌太郎一家の暮らしをのぞいてみたら・・・? うがい・手洗いの大切さを楽しく教えてくれる、沖縄発の紙芝居です。
礒みゆき(脚本・絵)
日も風にのって、くっつく子どもを探すかぜヒッキー。いろんな子どもにくっついて、鼻水を出させたり、熱を上げたり・・・風邪をひかせてしまいます。さあ、うがいと手洗いで、ヒッキーをやっつけましょう! やさしく風邪予防を知るのにぴったりの紙芝居。
http://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494080113
終わりに
インフルエンザとその予防についてお届けしました。
予防接種をしていても、うつってしまうことのあるインフルエンザ。やはり何よりも大切なのは、ウイルスを寄せ付けない日々の心がけです。
今年はすでに大流行の予感、いますぐ対策を始めて、子どもたちも保育者も、インフルエンザに負けない元気いっぱいのシーズンを過ごしたいものですね。