魔の2歳児さんの関わり方&叱り方


「魔の2歳児」と言われるように、何かと関わりが難しい2歳児さん。何でもイヤイヤと拒否してみたり、急に癇癪(かんしゃく)を起したり…、保育士は悩みがつきません。「毎日怒ってばかりで疲れてしまう」とお悩みの方に向けて、2歳児さんとの上手な関わり方と叱り方をご紹介いたします。

2歳児さんの特徴

・自分でやりたい!という思いが強く、大人が手伝おうとすると怒る。
・何でも「イヤイヤ」と拒否して癇癪を起こすことがある。
・こだわりが強く、玩具などを一人占めしてしまう。
・「これがやりたい、これはやりたくない」と自己主張をし始める。

このような特徴をもつ2歳児さんは、自分でやりたいことがあるのに、それが上手くできないというストレスを毎日感じています。だからこそ、ちょっとしたことでひっくり返って泣き叫び、手に負えないような状態になってしまうことが出てくるのです。

何故2歳で「イヤイヤ期」に突入するのか

このような特徴が突然現れ始めると、周囲の大人は「この間までお利口に言うことを聞いていたのに…」と戸惑ってしまうもの。
しかし、この2歳という時期に「イヤイヤ期」に突入するのには実は理由があります。

自我の芽生え

子どもの自我の芽生えは生後6か月からと言われています。
驚くことに人間はこんなに早い時期から自分の意思を持ち始め、少しずつ表現していくのです。
そして、それが顕著に現れるようになるのが、言葉でコミュニケーションを取れるようになる1歳半頃からになります。
つまり、「イヤイヤ期」とは「動作や表情だけでなく、言葉も伴って自分の感情を伝え始めた時期」とも言えます。
突然ワガママになった訳ではなく、周囲の大人の反応を見ながら、自己主張の仕方を学んでいる段階なのです。
このように避けては通れない道だからこそ、子どもを変えようとするのではなく、保育者が上手な関わり方を学んでいきましょう。

2歳児さんとは手間を惜しまずに関わる

2歳児さんとは、とにかく手間を惜しまずに関わることを心掛けましょう。
例えば、子どもたちの「やりたい」にとことん付き合えるように時間に余裕を持たせたり、集中して取り組めるような環境作りに配慮しましょう。
また、言葉でコミュニケーションをとることも大切です。子どもが何かを訴えかけてきたら、必ず耳を傾けましょう。
子どもたちが癇癪をおこして怒ることが多いのは、大人が都合を押し付けて、子どもたちの想いを無視してしまった時です。もし子どもの要求を聞いてあげられない状況だったとしても、見通しをもてるような言葉をかけてあげたり、本人が納得できるような妥協点を一緒にみつけていこうとする姿勢が大切です。

叱るときのポイント

繰り返しになりますが、この時期独特の“イヤイヤ”や“癇癪”は子どもたちのワガママではありません。
だから、「どうしてそんなワガママ言うの!」と怒っても仕方がありません。とはいっても、まだ物事の善悪が分からない子どもたち。例えば命の危険に関わるようなことは、保育者として正しく伝えなければいけない時もあるでしょう。その時のポイントをお伝えします。

落ち着いたテンションで短く的確に

出来れば二人きりになれる部屋に移動して、きちんと目を合わせて伝えましょう。何故いけないのか、子どもでも分かりやすい言葉で端的に伝えましょう。遠くから「やめなさい!」と怒鳴りつけるだけではいつまで経っても伝わらないですし、むしろ子どもたちとの関係を悪くしてしまいます。

Iメッセージで伝える

「○○しちゃだめでしょ」ではなく「○○すると先生悲しいな」と主語を自分にして想いを伝えると、言葉が攻撃的でなくなり、子どもたちの心に響きます。

叱るより語りかける

子どもたちが困った行動を繰り返す時は、叱るより語りかけるという意識をもつと良いでしょう。感情的にぶつけたことは、感情的な行動で返ってきます。「あなたのために伝えているんだよ」という愛情を言葉に乗せて、語りかけてみてください。

最後に

どんな子にもあるイヤイヤ期。むしろこの時期を迎えることは、順長に成長している証拠とも言えます。
周囲の大人にとっては大変な時期ではありますが、保育者として子どもたちからたくさんのことを学ぶチャンスでもあります。
子どもたちを変えようとするのではなく、自分の関わりを変えてみるだけで子どもたちの反応は違ってくるはずですよ。ぜひ、明日からお試しください。


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